アビバ・スタジアム

アイルランド ダブリン
Opened in 2010
Architecture
1876年に初めてのラグビー試合が行われて以来、ランズダウン・ロード・スタジアムはアイルランドにおけるラグビーのよりどころとなってきました。既存施設が国際スポーツ競技場としての条件を満たさなくなり、POPULOUSがスタジアムリニューアルの依頼を受けました。その内容は、収容人数25,000人の旧スタジアムよりも狭い敷地に、5万席のスタジアムを設計するというものでした。

この敷地は全面に制約があり、日照権と南北の眺望権を有する住宅に囲まれている上に、境界に沿って鉄道が走っていました。これらの制約により、設計チームは本プロジェクトのため、特別な設計と建設手法を開発する必要がありました。

設計ソリューションにおいては、解体・建設作業を段階化することにより、線路の閉鎖回数を最低限に抑えることができました。複雑な3D形状は、設計チーム、構造エンジニア、請負業者が同時に情報を入力できる新しいパラメトリックソフトの開発により、実現しました。その結果、完全に調整された構造・外装モデルが作成され、それが建設に反映されました。

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「満員のアビバ・スタジアムで歌う国歌に勝るものはありません。特別な瞬間ですよね?」

Jacob Stockdale

アイルランド代表ラグビー選手

完成したスタジアムの劇的な形状は、東西方向に高さを持たせて観戦者にとってベストな視野角を確保すると同時に、南北方向で高さを抑えることで周辺住宅への影響を低減する配慮が特徴です。屋根の馬蹄形のメイントラスは北端の2本の柱で支えられており、座席の上部に吊り下がるような屋根が、見事な視覚効果を生み出しています。

アビバ・スタジアムは、ソフトウェアによるパラメトリックデザインで複雑な曲線構造の設計、建築を可能にした点で、スタジアム設計における新たな時代の幕開けを象徴しています。ダブリンのスカイラインを幻想的に彩る曲線的な美しいファサードは、現代アイルランドの国家的シンボルとして機能する印象的なデザインになっています。スタジアムを覆う透明パネルが空の色や光の移ろいを反射し、華麗なフォルムを常に変化させます。

専門分野

  • 建築

    建築

    収容人数51,700人のアビバ・スタジアムはアイルランドの国立競技場であり、アイルランドのラグビーユニオンチームとアイルランド共和国代表サッカーチームの本拠地となっています。アイルランドで唯一のUEFAカテゴリー4のスタジアムであり、ヨーロッパで最も権威あるサッカー大会の試合を開催する資格があります。

    スタジアムの敷地は非常に狭く、日照権と南北の眺望権を有する住宅に囲まれ、東の境界に沿って鉄道が走っています。これらの制約を受け、スタジアムを波のように上下させて地域住民への光を遮らないようにする、劇的な3D形状が開発されました。これは、複雑な曲線形状のスタジアム建築を成功させた、世界初の例の一つです。

    スタジアムのファサードを覆うポリカーボネートのルーバーとガラスは、空を反射して建物の重量感を軽減させ、絶えず変化する煌めき効果を生み出しています。

  • 2011

    • LAMA賞 ナショナルインパクト、最優秀土木工学プロジェクト、最優秀建築家
    • ヨーロッパ EPSE賞
  • 2010

    • 英国エキスパティーズ・インターナショナル賞 スポーツレジャー&観光部門
    • IPA建築賞 レジャー&ホスピタリティ
    • WAF賞 WAF-ONCE 2010 アクセシビリティ賞、世界最高新建造物
    • WAF賞 高評価、最優秀新スポーツ施設
3 items.
  • Christopher Lee Senior Principal, Managing Director – EMEA London
  • Francois Clement Senior Principal, Architect Paris
  • Mark Craine Senior Principal, Architect London

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