TQLスタジアム

FCシンシナティにとって、コミュニティはすべてです。そのため、新しいスタジアムは市の中心部にあり、最も歴史のあるウェストエンドとオーバーザラインの2地区の間に位置します。TQLスタジアムは、試合日にファンが集まる拠点としてだけでなく、日常生活の活動の中心となるよう設計されています。 その方向性を決定づける多くの考慮事項の中には、クラブの熱狂的サポーター層も含まれています。 伝統的な試合行進のために何千人ものサポーターが集まり、東側からやってきます。 

会場に近づくにつれ、クラブファンのエネルギーがスタジアムのねじれたファサードに反映されます。 建物外周にめぐらされた500本を超える縦のリブ型パネルは、特注LED照明システムによって一枚一枚を照らすことで、ダイナミックな光の演出が可能です。 セントラル・パークウェイから見ると、連結されたアルミニウムのファサードがスタジアムの特徴的な形状を作り出しています。独特のねじれた動きは、ピッチに立つ2チームのあいだに走る緊張感を表しています。 メジャーリーグサッカーのスタジアムとしてはほかに例を見ない、壮大な中央階段がファンを迎え入れます。 

TQLスタジアムの中心にある観客席は、ヨーロッパの最も象徴的なサッカー会場からインスピレーションを得ており、360度に広がる座席から注がれるすべての視線が、ピッチに集中します。 東スタンドには、クラブのエンブレムにある堂々とした獅子を形作るように配置された1,000席を超えるオレンジ色の座席があり、頭上を覆う300,000平方フィートの巨大キャノピーにより、観客全員が一体感のエネルギーを得られるとともに、天候から守られます。 ファン体験をさらに向上させるため、安全にスタンディングで観戦できるベイリーが再設計されました。3,000人を超えるサポーターを急斜面に配置することで圧倒的な音響効果が生み出され、サッカーマフラーを高く掲げているときでも、視界を確保できます。 このセクションには、サッカー専用スタジアムにある北米最大幅のビデオボードも設置されています。  

TQLスタジアムの高級感あふれる空間は、シンシナティの豊かな建築遺産へのオマージュです。 トンネルクラブは、チーク材と温かみのある色調で、シンシナティ・ミュージック・ホールの優雅さを彷彿とさせます。一方、市のビール醸造の歴史にヒントを得たファースト・ファイナンシャル・クラブは、19世紀のシンシナティにあった地下ビール貯蔵庫を思わせる2階建てのレンガ壁が特徴です。 

TQLスタジアムは、シンシナティのサッカーに対する不朽の情熱の記念碑であり、建築とファンの熱狂が融合して比類のないサッカーの雰囲気を作り出す空間になっています。 このスタジアムは、街の伝統を象徴する誇り高いシンボルであり、コミュニティとサッカーの興奮が一体となる祝いの場です。 

2022年、ユネスコはTQLスタジアムに権威あるヴェルサイユ賞を授与し、スポーツ建築の世界最高例として認めました。